海外の資源を活用して水素を製造し、日本へ輸出する水素サプライチェーン構築に向けた動きをまとめ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2020年に豪州など海外から水素を輸送し、国内で水素発電などで利用することを目指し実証実験を実施。千代田化工建設などは、2020年から水素の輸入を始め、天然ガス火力発電所に供給する計画。
 

水素サプライチェーン構築に向けた動き

【千代田化工 三菱商事 三井物産 日本郵船】
千代田化工建設などは、2020年から水素の輸入を始め、天然ガス火力発電所に供給する計画。東南アジアのブルネイから水素を年210トン輸入。千代田化工建設は、このガスを調達し、専用設備を建設して水素を取り出す。三菱商事はブルネイ政府と液化天然ガス(LNG)を生産。水素は液体で常温の化学品にし、日本郵船が船で日本まで運搬。国内で水素にもどし、川崎市にある火力発電所で使う。事業費は最大100億円。

千代田化工建設などは、2020年代後半に水素発電のコストを1キロワット時あたり17円以下に抑え、10円台半ばのガス火力との差を縮める計画。

企業 内容
千代田化工建設 専用設備を建設して水素を取り出す
三菱商事 ブルネイ政府とLNGを生産
日本郵船 船で日本まで運搬

 

【NIDO 川崎重工 Jパワー 千代田化工 大林組 三菱重工】
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2015年6月9日、海外の未利用資源を活用して水素を製造し、日本へ輸送する水素サプライチェーン構築に向けた実証実験を始めると発表した。また、水素を燃料とするガスタービンを用いた発電システムの技術開発も行う。

川崎重工やJパワー、岩谷産業は、豪州の褐炭と呼ばれる低品質の石炭で水素を作り、液化して運搬する専用船の開発と実証。千代田化工建設は、石油精製プラントなどで副産物として出るガスから作った水素を、有機ケミカルハイドライド法により消費地に運ぶ技術を実証。2015年から2016年度は運用に必要な基盤技術の検証を実施。2017年から2020年度は第1期の検証を踏まえて内容を決定する。

川崎重工や大林組は、水素を燃料とするガスタービンを有する発電設備で、燃焼の安定性の検証や経済的運用モデルの確立に取組。三菱重工などは、天然ガスと水素を混ぜて発電するプラントの基本設計確立に取り組む。

2020年に豪州など海外から水素を輸送し、国内で水素発電などで利用することを目指すとしている。
 

企業 開発内容
川崎重工 水素運搬船
Jパワー
岩谷産業
千代田化工建設 水素の運搬技術
川崎重工 水素発電の運用モデル
大林組
三菱重工 水素発電のプラント設計

 

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