ソニーは、2015年2月18日、2015~2017年度の中期経営計画を発表し、営業利益5000億円以上、ROE10%以上を達成するとした。デバイス、ゲーム&ネットワークサービス、映画、音楽分野を牽引役と位置づける。

デバイスでは、CMOSイメージセンサー増産のための設備投資や技術開発投資により競争力を強化。ゲーム&ネットワークサービスでは「プレイステーションプラットフォーム」と「プレイステーションネットワーク」の顧客を拡大。映画では視聴率の向上や放送チャネルの拡大により視聴者を拡大。音楽ではストリーミング市場へ注力する。

また、2016年6月29日、外部環境の変化やそれぞれの事業状況から、経営数値目標を見直し。ゲーム&ネットワークサービスでは、プレイステーション4の販売が好調。ネットワーキングサービスでは2015年度に前年度比50%増となるなど拡大。2016年10月にはバーチャルリアリティ(VR)システムである「プレイステーションVR」の発売を予定する。数値目標では、見直し前より売上高は3000億円~4000億円、利益率は3%~4%上方修正した。

デバイスでは、主力のイメージセンサー事業がスマートフォン市場の成長鈍化で下方修正。2017年までも利益成長スピードが減速する見通し。一方、新たな用途として監視カメラやIoT、車載用途などを期待。成長牽引領域としての位置づけを維持する。数値目標では、見直し前より利益率を5%下方修正した。


経営計画 2015~2017年

項目 内容
営業利益 5000億円以上
ROE 10%以上
牽引役 デバイス ゲーム&ネットワークサービス 映画 音楽


【エレクトロニクス事業の経営計画】

    2014年 2017年
見直し前 見直し後
ゲーム&ネットワークサービス 売上高 1兆2900億円 1.4兆円~1.6兆円 1.8兆円~1.9兆円
営業利益率 2.7% 5~6% 8~10%
イメージング・プロダクツ&ソリューション 売上高 7100億円 6800億円~7300億円 6300億円~6800億円
営業利益率 7.3% 7~9% 8~10%
ホームエンタテイメント&サウンド 売上高 1兆2000億円 1兆円~1.1兆円 1兆円~1.1兆円
営業利益率 0.8% 2~4% 3~5%
デバイス 売上高 8900億円 1.3兆円~1.5兆円 1兆円~1.05兆円
営業利益率 7.5% 10~12% 5~7%
モバイル・コミュニケーション 売上高 1兆3200億円 9000億円~1.1兆円 9000億円~1.05兆円
営業利益率 ▲16.3% 3~5% 1.5~3.5%


【モバイル・コミュニケーション】
2014年9月に発表した人員削減等による構造改革に加え、2015年度末までに合計約2100名の人員削減を見込む。構造改革費用として2014年度・2015年度合計で約300億円。2016年度以降の経費削減効果は、2014年度比年900億円以上を見込む。