2012年時点の国内再生医療市場規模は約90億円。保険診療による再生医療製品は製造販売承認製品が2製品、うち保険償還の対象とされたのは自家培養皮の1製品であり、市場の多くは保険外診療科で治療が行われている。 2020年の国内再生医療市場規模は約950億円が見込まれる。
iPS細胞などの再生医療については臨床試験に向けた取組が進められており、眼科領域の網膜色素変性や加齢黄斑変性、脊髄損傷治療などへの治療可能性が開ける。また、保険償還の交渉中にある自家培養軟骨や臨床試験が実施されている自家骨格筋芽細胞などの上市がなされる。海外で上市・実用化に向けた取組が行われている自家/同種培養皮膚、自家/同種培養角膜上皮などの国内開発も進められ、再生医療の対象領域が拡大する。
2030年以降の国内再生医療市場規模は2030年に1兆円、2050年2.5兆円が見込まれる。膵臓、腎臓、肝臓など臓器移植の代替となる再生医療の上市と市場の拡大が加速する。また、医療費の多くを占めている慢性疾患についても再生医療が応用可能になる。
再生医療の市場規模
組織 | 主な病気 | 治療開始 | 市場規模 | ||
2020年 | 2030年 | 2050年 | |||
眼 | 加齢黄斑変性等 | 2014年 | 160億円 | 1002億円 | 1844億円 |
神経 | 脳梗塞等 | 2016年 | 47億円 | 1114億円 | 2900億円 |
心臓 | 虚血性心筋患 | 2016年 | 217億円 | 632億円 | 730億円 |
血液 | 虚血 | 2016年 | 2億円 | 315億円 | 759億円 |
肝臓 | 肝移植代替 | 2018年 | 0億円 | 926億円 | 3152億円 |
膵臓 | 膵移植代替 | 2018年 | 0億円 | 26億円 | 2343億円 |
軟骨 | 外傷性等 | 2020年 | 205億円 | 862億円 | 1137億円 |
腎臓 | 腎移植代替 | 2023年 | 0億円 | 926億円 | 3152億円 |
がん | がん免疫 | - | 231億円 | 3024億円 | 5719億円 |