ナノキャリアが開発したミセル化ナノ粒子の薬物電導方式「ADCM」をエーザイの抗がん剤E7974に適用することで、治療域が10倍に拡大することを動物実験で確認した。この結果を踏まえ、自社開発品目として開発することを決定し、2014年6月23日、全世界を対象とする独占的なライセンス契約を締結したと発表した。さらに臨床試験が必要だが、ミセル化ナノ粒子の実用化の道が開けた。ミセル化ナノ粒子は抗がん剤から核酸医薬品、再生医療、ヘルスケアへと展開を見据えている。
ミセルナノ粒子関連情報
項目 | 企業 | 内容 |
ミセル化ナノ粒子 | エーザイ | エーザイの抗がん剤に適用。全世界を対象とする独占的ライセンス締結 |
信越化学 | ミセル化ナノ粒子の材料でアルブロックコポリマーの量産技術 | |
ナノプラチン | 台湾オリエント | 台湾で製造工場建設。2016年完成予定 |
【ミセル化ナノ粒子】
エーザイと全世界を対象とする独占的ライセンス契約を締結。また、信越化学工業とミセル化ナノ粒子の材料であるブロックコポリマーの量産技術確立を目指している。
【NC-6004(ナノプラチン)】
4つの主要パイプラインの1つ。2013年11月に台湾と日本で特許を獲得。国内ではフェーズ1段階だが最速で開発を進め、対象疾患も広げる計画。共同開発先の台湾オリエントユーロファーマでは2016年の完成を目指してナノプラチンの製造工場を建設している。
【2013年10月に実施した増資での資金使途】
2013年10月に3万3600株の公募増資と6300株の海外売出を実施。約86億円を調達した。増資による資金はNC-6004(ナノプラチン)やNC-4016(ダハプラチン誘導体ミセル)などの研究開発に充当する。支出時期は2018年10月まで。
資金使途 | 金額 | 支出時期 |
シスプラチン誘導体ミセル(NC-6004)及びダハプラチン誘導体ミセル(NC-4016)などの研究開発費用 | 89.16億円 | 2013年11月~2018年10月 |
人件費や研究所費用など運転資金 | 23億円 |