再生医療で治療する臨床研究が経済産業省所管の独立行政法人NEDOの支援により、2013年秋からタイで開始される。タイは医療ツーリズムの先進国でアジア新興国の医療の拠点であることから、再生医療関連製品の市場開拓や日本式医療の輸出につなげる狙い。
機関 対象 内容
 大阪大学 角膜  角膜損傷により両目の視力が落ちた患者への治療
 武庫川女子大学 軟骨  膝の軟骨を欠損した患者への移植 
【大阪大学】 薬の副作用や外傷で目の角膜の表面が濁り、両目の視力が落ちた患者への治療における臨床研究を実施する。患者の口の粘膜から細胞を採り、シート上に培養して移植する。2013年9月から2014年度まで実施され、臨床研究を終えた2015年以降には企業などと協力し、細胞シートの製品化に向けた治験の実施をタイで検討する。臨床研究には国内企業が開発した細胞の自動培養装置を活用するもようで、培養に使う皿や培養液など周辺機材の市場開拓にも期待がかかる。 【武庫川女子大学】 膝の軟骨を欠損した患者を対象に、腰周辺の骨から細胞を採取し、培養後に軟骨に移植する臨床研究を実施する。2013年秋から実施される。直径5ミリの穴から移植することで傷口が小さくて済むという。