EUは、2017年5月22日、ユーロ圏財務相会合で、2016年秋から中断しているギリシャ支援融資の結論を次回会合である6月15日に持ち越した。ギリシャは7月に70億ユーロ(約8500億円)規模の国債償還を控える。支援融資が決まらなければ再びギリシャ危機が市場を揺らす懸念がある。
国際通貨基金(IMF)はギリシャ支援を見送っている。ドイツなどは自国の議会に財政支出を認めさせるため、IMFの支援復帰が不可欠との立場を取る。
IMFはギリシャの金融再建には抜本的な債務負担の軽減や緊縮策の緩和が必要とする報告書を発表。ユーロ各国に抜本的な債務軽減策に応じるように要請。対策を講じなければGDP比180%の公的債務は2060年までに275%に達すると警告した。
ギリシャでは、2017年5月18日、融資再開の条件だった年金削減や増税策などの財政構造改革法が成立している。EUとIMFが6月の会合までにどこまで歩み寄れるかが焦点となる。