住友電工は約70億円を投じて、鉄粉や銅などを固めて成形する「焼結部品」と呼ばれる自動車の変速機部品などを手掛ける米キーストーンを買収する。9月末をメドに創業家から全株式を取得し、全米に3カ所ある工場と約600人の従業員を引き継ぐという。キーストーンは特に大型車向けに強みがあり、2015年売上高は約120億円。
今回の買収により、販売先開拓が遅れていた米国に進出し、米自動車メーカーとのパイプ強化や製品のラインアップの拡充を図る狙い。自動車用の焼結部品はEV向けの新製品といった需要も増えており、住友電工は40億円を投じて岡山工場で最先端の生産ラインを整備したほか、メキシコでも新たな工場を稼働させている。
キーストーンの買収で、焼結部品事業の18年3月期の売上高は17年3月期見通しよりも2割増やし約800億円に引き上げる計画。20年3月期には900億円程度まで伸ばしていくという。
住友電工 自動車用の焼結部品事業で米国進出
項目 | 内容 |
投資金額 | 70億円 |
対象 | 米キーストーンの全株式取得 |
取得時期 | 2016年9月末 |