三菱ケミカルHDは2016年7月27日、中国とインドで合成繊維原料の高純度テレフタル酸(PTA)事業を売却すると発表。三菱ケミカルHDはPTAで世界シェア2位だったが、2012年ごろから中国メーカーによる能力増強が相次ぎ、市況が悪化。PTA事業は12年度から4期連続で営業赤字となっていた。中国では浙江省寧波市の石油精製会社に、インドの西ベンガル州では米投資ファンドに現地法人の株式を売却する。売却額は両拠点を合わせて100億~200億円となる見込み。今年12月末までに手続きを終える。インドネシアと連結対象外の生産会社がある韓国ではPTA事業を続けるという。
撤退により、年間で1500億円程度の売上高が減ることとなる。今後は、収益性に軸足を置いた経営を進め、炭素繊維など成長事業に投資を振り向ける。
三菱ケミカルが中印で合繊原料撤退 成長事業を強化
項目 | 内容 |
売却額 | 100~200億円 |
対象 | 中国・インドで高純度テレフタル酸事業売却 |
売却時期 | 2016年12月末 |