富士経済は、2016年6月15日、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)の2035年の世界市場予測を発表した。

HVは、2015年比2.9倍の468万台。日本を中心に市場は拡大するも、欧州や中国は伸び悩む。PHVは、31.7倍の665万台。欧州、北米、中国で2025年頃から大幅に需要が増加する。EVは、16.7倍の567万台。中国の需要増加が牽引する。2030年頃にはHV、PHV、EVがほぼ拮抗するとしている。

地域別では、日本は、HVが主流で2035年には200万台が予想される。PHVは2020年頃からミドルクラス以上を中心に増加。EVは走行距離が200マイルを超える車種の発売でユーザー層が拡大。自動運転や充電インフラの技術革新と連動し、2025年頃から市場の伸びが期待される。北米は、燃費規制に合わせPHVとEVの多車種展開が進む。欧州は、購入時の補助・優遇策がPHVとEVの販売を後押し。2025年頃には比較的低価格のPHVが発売され、市場拡大の追い風となる。EVは急速充電器の規格策定が普及を促進し、2030年に109万台が予想される。中国は、政府計画で2020年までにEV・PHVの目標走行車数を500万台としている。政府は電力需要を担う原発建設や充電設備の整備を計画しており、市場拡大が予想される。


次世代自動車 2035年の市場予測

【車種別】

車種 2035年の台数 対2015年比 内容
HV 498万台 2.9倍 日本を中心に拡大も、欧州・中国は伸び悩む
PHV 665万台 31.7倍 2025年頃から欧州・北米・中国で需要増加
EV 567万台 16.7倍 中国の需要増加が牽引


【地域別】

地域 内容
日本 HVが主流。PHVは2020年頃から増加。EVは2025年頃から伸びが期待
北米 燃費規制に合わせPHVとEVが増加
欧州 優遇策がPHVとEVを後押し。2025年に低価格のPHVが発売。EVの急速充電器の規格策定が進む
中国 2020年までにEV・PHVを500万台計画。原発建設や充電設備の整備も計画