欧州連合(EU)の欧州委員会は、2017年11月8日、2030年の自動車の環境規制を発表した。EU域内で販売する自動車のCO2排出量を2030年に2021年の目標値と比べて3割削減することを求めた。中間目標として2025年に2021年比15%減の削減を設定。規制値をクリアできなかったメーカーは罰金が科せられる。1グラムを超えるごとに販売した新車1台にあたり95ユーロ(約1万2500円)を支払う。
欧州では、2015年にEU全体の乗用車のCO2排出量を1キロメートルあたり130グラムとする規制が導入。2021年に95グラム。2030年に95グラムから3割削減が求められる。燃料換算すると、95グラムはガソリン1リットルあたり24キロメートル、新規制では34キロメートルに相当するという。既存技術の延長での達成は難しいとみられ、各国の自動車メーカーは電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHV)へのシフトが迫られる。
また、CO2排出量が少ない自動車の販売奨励策も盛り込んだ。EVやFCVなどのゼロエミッション車、PHVなど排出量50グラム以下の車両を2030年に30%以上販売したメーカーは全体のCO2排出規制が軽減される。インフラ整備の充実策と合わせて電動化シフトを後押しする。
なお、CO2排出量目標は、日本は2020年に122グラム、中国は2020年に117グラム、米国は2025年に97グラムとされている。