中国の国有4大銀行の2015年12月期の純利益は0.5%増の8567億元に対し、不良債権額は49%増の6892億元だった。中国人民銀行の利下げで貸出金から得られる利息収入が減少。2015年10月には預金金利の上限規制が撤廃。制度上は銀行の裁量で金利を自由に決められるようになり、金利競争が激化。収益の圧迫要因となった。
また、貸出残高に占める不良債権比率が増加。中国工商銀行は1.5%、中国建設銀行は1.58%、中国農業銀行は2.39%、中国銀行は1.43%だった。業種別では、製造業が3~6%台、卸売・小売業は6~12%だった。
中国4大銀行 2015年12月期の純利益と不良債権
2014年12月期 | 2015年12月期 | |||||
純利益 | 不良債権額 | 不良債権比率 | 純利益 | 不良債権額 | 不良債権比率 | |
工商銀行 | 2758億元 | 1244億元 | 1.13% | 2771億元 | 1795億元 | 1.5% |
建設銀行 | 2278億元 | 1131億元 | 1.19% | 2281億元 | 1659億元 | 1.58% |
農業銀行 | 1794億元 | 1249億元 | 1.54% | 1805億元 | 2128億元 | 2.39% |
中国銀行 | 1695億元 | 1004億元 | 1.18% | 1708億元 | 1308億元 | 1.43% |