中国政府は、2013年9月12日、中国の大気汚染問題で天然ガスの利用拡大などで、2012年度に比べPM2.5濃度を北京地区で25%、上海地区で20%、広東省で15%引き下げる対策をまとめた。 北京では現在535万台ある自動車保有台数が600万台を超えないようにするほか、特定の地域に入る車に対し料金を徴収する計画。また、石炭の使用量を1300万トン減らすなど、これらの対策に北京市は5年間で2000億元~3000億元(約3兆2000億円~4兆8000億円)の予算をかける方針。 なお、一連の対策に必要な費用については、1兆7500億元(約28兆円)と推計されている。
2017年までの大気汚染対策の主な内容
【対策費用】
地域 | 対策金額 |
中国 | 1兆7500億円(約28兆円) |
北京市 | 5年間で2000億元~3000億元(約3兆2000億円~4兆8000億円) |
【対策内容】
2017年までの大気汚染対策 |
PM2.5の濃度を北京地区で25%、上海地区で20%、広東省で15%下げる |
PM10の濃度を主要都市で10%以上下げる |
2005年以前に登録され、最新の排ガス規制を満たしていない車の走行禁止 |
2015年に1500万トンの製鉄能力を削減 |
単位当たりの工業生産に必要なエネルギーを20%減らす |
国全体のエネルビー消費に占める石炭比率を65%以下にする |
原発の発電能力を5000万キロワットまで増やす |
北京・上海・広東省ではボイラー、工業炉・自家発電設備の燃料を天然ガスに切り替え |
【2014年の対策】
2014年2月12日、中国国務院は大気汚染対策のため100億元(約1700億円)の特別資金を拠出することを決めた。
北京市の対策
中国・北京では現在535万台ある自動車保有台数が600万台を超えないようにするほか、特定の地域に入る車に対し料金を徴収するなど汚染対策を策定。5年間で2000億元~3000億元(約3兆2000億円~4兆8000億円)の予算をかける方針。 また、中国・北京市政府は、2013年10月17日、市内の大気汚染レベルが最悪の「深刻な汚染」に3日連続で達すると予測される場合、走行する自動車を半減させることが柱の緊急対策を明らかにした。PM2.5の発生を抑えるため、日付が偶数の日はナンバー末尾が偶数の車。奇数の日は末尾が奇数の車の走行を禁じる。また、砂利を運搬するトラックの走行は全面禁止。一部恒常は操業停止を命じる。
PM2.5関連銘柄
コード | 企業 | 内容 |
6856 | 堀場製作所 | 精華大学とPM2.5測定装置を開発 |
7011 | 三菱重工業 | 中国の石炭火力発電所向けにPM2.5を除去する機器を一括提供 |
【堀場製作所】
堀場製作所は中国の精華大学と提携しPM2.5の原因物質を測定できる分析装置を開発したもよう。年内に北京市15ヶ所に設置し、実証試験を始める。研究結果は精華大学が中国政府に規制強化などを働きかける。また、水質汚染測定器なども共同開発する計画。
【三菱重工業】
中国の石炭火力発電所向けにPM2.5を除去する機器を提供。一括購入を条件に機器の価格を下げ、導入費を10~20%に抑える。