中国人民銀行は、格付けの低い社債の債務不履行を防ぐため、流動性供給を拡大する方針を示した。米国との貿易摩擦による経済の下押し圧力を和らげる狙い。

「穏健で中立な金融政策」から「中立」を削除。2018年7月23日には、人民銀が大手銀行向けとなる資金供給で、過去最大の5020億元(約8兆2000億円)を出した。人民銀はこの資金を利用した「ダブルAプラス」以下の格付けの社債を購入するように市中銀行を指導する。

財務面では「積極的な財政政策をさらに積極的にする」とし、財政出動の拡大を示唆。使い道に有力視されるのは地方の道路や鉄道などのインフラ投資となっている。地方政府のインフラ整備を担う投資会社「地方融資平台」に関しても「資金需要を保証し、資金不足で工事が途中で止まる事態を避けるよう金融機関を指導する」とした。