タカラバイオは2016年度売上高280億円、経常利益24億円を目指している。バイオ産業支援事業ではiPS細胞など幹細胞を用いた基礎研究や再生・細胞医薬などの分野に向けた新製品開発を加速。医薬品バイオ事業では2015年度に営業黒字化。遺伝子医療事業は毎年前期比約20%増の研究開発費を投じ、遺伝子治療の早期商業化を目指す。
経営計画
2014年 | 2015年 | 2016年 | |
売上高 | 252億円 | 265億円 | 280億円 |
営業利益 | 20億円 | 21億円 | 22.5億円 |
経常利益 | 22.5億円 | 23億円 | 24億円 |
純利益 | 14.8億円 | 15億円 | 15.5億円 |
研究開発費 | 36.46億円 | 40.84億円 | 46.35億円 |
事業
【バイオ産業支援事業】
iPS細胞などの幹細胞を用いた基礎研究や再生・細胞医薬などの分野に向けた新製品開発を加速。遺伝子治療・細胞医薬で培った技術・ノウハウを活用し、研究開発のパートナーとして受託業務を行う事業を拡大させる。また、2014年10月より本格稼働する遺伝子・細胞プロセッシングセンターを遺伝子治療用のベクター製造や細胞加工・調整を行う事業の中核拠点とし、収益拡大を図る。バイオ産業支援事業では2014年度より毎年前年比5%の売上高増加を目指す。
【医食品バイオ事業】
健康食品事業では機能性食品素材のデータ取得蓄積を進め、取得データを用いた啓発サイトの公開や情報冊子配布活動を強化。宝ヘルスケアと連携し、通信販売での健康食品の売り上げ拡大を目指す。キノコ事業ではハタケシメジからより付加価値の高いホンシメジへ生産をシフトし、販売拡充を促進。医薬品バイオ事業全体として2015年度の営業黒字化を目指す。
【遺伝子医療事業】
毎年前期比約20%増の研究開発費を投下し、遺伝子治療の早期商業化を目指す。米国では、悪性黒色腫を対象としたがん治療薬HF10の第Ⅱ相臨床試験とHIV感染症を対象としたMazF遺伝子治療の第1相臨床試験を実施中。日本では、食道がんを対象としたMAGE-A4・TCR遺伝子治療の第Ⅰ相臨床試験を実施している。遺伝子治療の商業化はHF10が2018年度、MAGR-A4・TCR遺伝子治療が2021年度、MazF遺伝子治療が2022年度を目標としている。
商業化 | 治療法 |
2018年度 | がん治療薬HF10 |
2021年度 | 食道がんを対象としたMAGE-A4・TCR遺伝子治療 |
2022年度 | HIV感染症を対象としたMazF遺伝子治療 |
再生医療に関する日本政府の政策とタカラバイオへの影響
再生医療に関する日本政府の政策 | タカラバイオへの影響 |
法改正による影響 | |
政府の資金面での支援で研究開発が活発化 | 基礎研究や臨床開発分野の製品拡販 |
細胞の培養・加工が医療機関以外の企業に解禁 | 遺伝子導入ベクターなどの製造や細胞加工の受託が拡大 |
再生・細胞医療の安全性確保の仕組みを整備 | 再生・細胞医療に関する製品販売、受託事業の拡大 |
新薬の早期承認制度導入 | 臨床研究を進めている遺伝子治療の早期商業化 |
国内再生医療の市場規模
2020年 | 2030年 | 2050年 | |
再生医療 | 950億円 | 1兆円 | 2.5兆円 |
周辺産業 | 950億円 | 5500億円 | 1.3兆円 |