JMCは試作品を3Dプリンターで作製する3Dプリンター出力事業と、製品の形状を反転させた型に、鉄・銅・アルミニウム・マグネシウムなどの溶かした金属を流し込み、製品を作製する鋳造事業を展開している。木型、鋳造、熱処理、機械加工、検査まで一貫した製造工程を内製化し、安定した品質と短納期化を実現している。製造業を中心に試作品から最終製品作りをトータルサポートしている。
新規上場概要
項目 | 内容 |
上場予定日 | 2016年11月29日 |
1単元株式数 | 100株 |
主幹事 | 野村證券 |
公募・売出 | 100万株 |
オーバーアロットメント | 15万株 |
仮条件 | 920円~960円 |
ブック・ビルディング期間 | 2016年11月10日~2016年11月16日 |
公開価格 | 960円 |
事業
【3Dプリンター出力事業】
試作品を3Dプリンターで作製するサービスを提供。見積データの解析・補正サービスや年中無休の稼働体制を敷いている。
医療分野でもサービスを提供。脳外科や口腔外科分野において、患者のCT・MRIデータから頭蓋骨や下顎骨のデータを作成し、3Dプリンターで実体モデルを作製。手術前のシュミレーションや手術方式の説明などに使用されている。
また、3Dプリンターと真空注型を組み合わせた独自の技術を保有。臓器の複雑な形状を再現するため、型を3Dプリンターで作製し、シリコーンゴムなどの軟質材料を注入することで、軟質の臓器モデルを作製する。医療機器の機能評価やカテーテル、内視鏡手術のトレーニングに利用されている。
【鋳造事業】
鋳造は、製品の形状を反転させた型に、鉄・銅・アルミニウム・マグネシウムなどの溶かした金属を流し込み、製品を作製する工法。鋳造業界では、各工程を別会社が営んでいるが、JMCは工程を内製化。安定した品質と短納期化を実現している。
また、GEセンシング&インスペクション・テクノロジーズ社製の第3世代産業用CTスキャナを導入。このスキャナは自動車、航空宇宙、電力など幅広い分野において品質保証を行う用途に最適化されている。素材内部の欠陥検出や測定困難な構造の測定、図面のない製品や自然物のデータ化、カーボン繊維の配向解析、放射線を物体に照射し続けることで、物体がどのように変化するかを確認するサービスなどに使用されている。
経営戦略
砂型鋳造で使われる木型を介さず、3Dプリンターでの鋳型を作製する砂型鋳造法を確立することで、金属鋳造への3Dプリンター応用を進める。
素材の軽量化に寄与するマグネシウム鋳造に注力。一般的なマグネシウム合金よりも強度が優れている特殊マグネシウム合金(MEL合金)を製造しているMEL社と材料仕入に関するライセンス契約を締結。MEL合金はF1用車両や軍事用輸送機など特殊分野への用途が広がっていることから、MEL合金を含めたマグネシウム鋳造による受注拡大に努める。
アルミニウム合金やマグネシウム合金に加えて、鋳鉄・鋳鋼・銅合金などの素材に対する砂型鋳造技術を確立。アルミニウム、マグネシウムの中でも強度などが向上した新たな配合の同合金材料の採用により、幅広い市場を開拓する。
産業用CTスキャナでは、物体の内部形状の撮影を代行するサービスを付加し、潜在顧客を掘り起こし、3Dプリンター出力事業と鋳造事業の受注拡大に努める。
調達資金使途
鋳造事業の新工場建設などに充当。
JMCの業績推移
※2014年度は4月期から12月期への決算期変更で8ヶ月決算
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2016年(1-6月) | 7.4億円 | 1.2億円 | 0.8億円 | 7.9億円 | 14億円 | 53.1% |
2015年 | 13億円 | 1.9億円 | 1.2億円 | 7億円 | 13億円 | 51.8% |
2014年 | 6.4億円 | 0.5億円 | 0.2億円 | 5.8億円 | 10億円 | 57.9% |
2013年 | 8.2億円 | 0.7億円 | 0.3億円 | 2.3億円 | 6.2億円 | 37.9% |
2012年 | 5.9億円 | 0.5億円 | 0.3億円 | 2億円 | 5.3億円 | 38.4% |