安川電機のロボット事業は、国内外の自動車関連分野を中心に堅調に推移する一方、自動車以外の新市場への拡販に向けて、一般産業向け市場の開拓に動いている。中国では人件費の上昇により家電生産で自動化ニーズが高まる。また、少子高齢化によりリハビリ・介護市場の拡大が期待されるという。

安川電機は中国で合弁会社を設立。2015年10月には産業用ロボット事業の、2016年3月には介護・リハビリ向けサービスロボット事業の合弁会社が設立された。中国での介護・リハビリロボットで2018年度に5~6億円の売上を目指す。

一般産業向けロボットの販売動向が注目される。


産業ロボット事業の動き

【欧州】
2016年10月20日、スロベニアに産業用ロボットの生産子会社を設立すると発表。新工場を約30億円で建設。2018年9月の稼働を予定している。新工場では、自動車産業向けのアーク溶接用ロボットや食品産業向けの搬送ロボットなどを生産する。月産300台体制を計画する。欧州市場の競争力強化や新たなサプライチェーンを構築し中東やアフリカ地域への供給も担う。

項目 内容
投資額 30億円
対象 スロベニアに産業用ロボットの新工場
稼働 2018年9月


【中国】
2015年8月、中国の美的集団と産業用ロボット・サービスロボットの関連事業で提携すると発表。中国で合弁会社を設立する。2015年10月には産業用ロボット事業の、2016年3月には介護・リハビリ向けなどサービスロボットの合弁会社が設立された。

中国では人件費の増加により家電生産で自動化ニーズが高まっている。また、少子高齢化によりリハビリ・介護市場の拡大が期待されている。

安川電機は中国での介護・リハビリロボットで2018年度に5~6億円の売上を目指す。中国は2025年に65歳以上の人口が2億人を超える見通し。市場が急拡大する中国で、消費者向けを開拓する。

合弁会社 設立
産業用ロボット事業 2015年10月
サービスロボット事業 2016年3月
2018年度に売上高5~6億円目標


【ロボットセンタ】
ロボットセンタでの拡販効果により自動車分野以外の一般産業市場向けが伸長。福岡県の「安川ロボットセンタ」を中核に、世界のロボットセンタと連携。それぞれの地域に合わせた技術を開発・共有する。

  2014年 2015年(計画)
ロボットセンタ数 32ヶ所 36ヶ所


安川電機のロボット事業推移

セグメント 業績 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
ロボット 売上高 1014億円 1102億円 1229億円 1362億円 1546億円 1413億円
営業利益 70億円 81億円 95億円 105億円 153億円 102億円


安川電機の業績推移

  売上高 営業利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2016年 3948億円 304億円 203億円 2006億円 3875億円 51.2%
2015年 4112億円 367億円 223億円 1839億円 3735億円 48.5%
2014年 4001億円 315億円 248億円 1751億円 3882億円 44.1%
2013年 3635億円 257億円 169億円 1398億円 3405億円 39.4%
2012年 3103億円 130億円 68億円 1174億円 3025億円 37.1%
2011年 3071億円 148億円 84億円 1045億円 2790億円 35.9%
2010年 2968億円 128億円 65億円 980億円 2645億円 35.2%

 

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