日銀は、2015年12月18日、金融政策決定会合で現状の金融緩和を補強する制度の導入を決めた。
上場投資信託(ETF)の購入額を年3兆円から3兆3000億円に拡大する。2016年4月から開始。設備投資や人材に積極的に投資している企業の株式を組み込んだETFを対象にする。不動産投資信託(REIT)の銘柄別買入限度額は5%以内から10%以内に引き上げ。長期国債の購入は平均残存期間を7年~10年から7年~12年に伸ばす。より長い年限の国債を買い入れることで、幅広い年限の金利を低下させ、設備投資や住宅投資を促す。
金融機関に融資を促す貸出支援制度は2016年3月までから2017年3月までに延長する。成長分野に融資した金融機関などを対象に日銀が低利で融資。設備投資を積極化しちえる企業への融資も対象に加える。
また、過去に日銀が金融機関から買い入れた個別株については、2016年4月から売却を始める。株式保有分は約3兆円。売却期限は2026年3月までで、年3000億円ずつ売却する。
なお、年80兆円の資金供給規模は維持する。
金融緩和の補完策を導入
項目 | 内容 |
ETF購入額 | 年3兆円→3兆3000億円 |
REITの銘柄別買入限度額 | 5%以内→10%以内 |
長期国債の平均残存期間 | 7年~10年→7年~12年 |
金融機関への貸出支援制度 | 2016年3月まで→2017年3月まで |
日銀の銀行保有株の売却
項目 | 内容 |
株式保有分 | 3兆円 |
開始 | 2016年4月 |
終了 | 2026年3月 |