中部電力が行っているLNGの調達コスト削減策が動き始める。中東や東南アジア産のLNGに比べて20~30%安い米国産LNGの調達が開始される。また、輸送コスト低減のため自社船を保有。運航が開始される。

コスト削減策と電力域外販売効果に期待される。


LNGの調達費削減策

【シェールガス】
中東や東南アジア産のLNGに比べて20~30%安い米国産LNGを調達し、火力発電コストの引き下げを図る。米サバーンパスLNG輸出基地からのLNG輸入を2017年から2016年に前倒し。米フリーポートでは2017年から輸出が開始される見通し。

シェールガス 輸入量・契約 開始
米フリーポートLNGプロジェクト 220万トンの委託加工 2017年
米サバーンパスLNG輸出基地 70万トン 2016年7月


【LNG船】
 LNG船保有会社の株式を取得。自社船を保有することで、船の運用の柔軟性を高め、輸送コスト低減につなげる。豪州からのLNGを購入。運航は2017年から。

項目 内容 開始
LNG船を保有 豪州からのLNGを輸送 2017年


【火力発電事業】
中部電力と東京電力は、2015年4月、火力発電事業の共同出資会社を設立した。LNGの調達量が世界最大となり、調達コスト削減が期待される。発電所の統合は2017年春を予定。

項目 開始
中電と東電の火力発電所の統合 2017年春
中電と東電が火力発電事業の共同出資会社設立 2015年4月


電力域外卸販売

中部電力と国際石油開発帝石は電力卸販売を共同実施。中部電力は国際石油開発帝石のガス卸先である関東など都市ガス事業社向けに電力を域外卸販売する。

項目 開始
国際石油開発帝石のガス卸先に電力販売 2016年4月