日本ガイシは、次世代蓄電池開発を含め、新規分野の売上を2017年に1000億円に育成する方針。電力関連ではNAS電池の生産コストの削減で電力系統への採用を増やす。また、全固定電池や空気電池向け材料開発を強化し、電気自動車などへの採用を狙う。
【新規事業の育成】
項目 | 内容 |
業績 | 2017年に新規事業の売上高1000億円 |
電力関連 | NAS電池の電力系統への採用増加 |
電池材料 | 全固体電池・空気電池向け材料開発強化 |
電力関連
2014年度は電力貯蔵用NAS電池の出荷を3年ぶりに再開。発火事故で先送りされていた商談が軌道に乗り、海外の大口案件を中心に出荷が増加。
2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | |
売上高 | 873億円 | 538億円 | 558億円 | 577億円 | 590億円 | 720億円 |
営業利益 | 79億円 | ▲80億円 | ▲121億円 | ▲57億円 | ▲39億円 | ▲23億円 |
電池
【亜鉛2次電池】
正極にニッケル、負極に亜鉛を採用する亜鉛2次電池を開発。リチウムイオンやニッケル水素など既存の2次電池に比べて、レアメタルなどの使用量を大幅に削減。コスト低減や原材料の安定調達ができ、可燃性電解液も使わないため、安全性も高い。2017年の製品化を目指す。
電池容量は1キロワット時から1000キロワット時程度を想定。一般家庭や小規模工場などで太陽光発電や安価な夜間電力を蓄える電池として普及を目指す。
項目 | 内容 |
商品 | 亜鉛2次電池 |
電池容量 | 1kWh~1000kWh |
用途 | 一般家庭や小規模工場で夜間電力を蓄電 |
製品化 | 2017年 |
【全固定電池】
摂氏120度の高温下でも使用できるチップ型リチウムイオン電池「全固定電池」を開発。内部に可燃性電解液を使わない構造で、高温に強い事からウエアラブル端末など小型機向けの需要が見込まれる。2015年3月までにサンプル出荷を始め、2016年度の発売を目指す。
項目 | 予定 |
サンプル出荷 | 2015年3月 |
発売 | 2016年度 |
業績推移
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2015年(予) | 4200億円 | 690億円 | 480億円 | - | - | - |
2014年 | 3786億円 | 610億円 | 415億円 | 4040億円 | 7022億円 | 55.8% |
2013年 | 3086億円 | 458億円 | 270億円 | 3444億円 | 6142億円 | 54.3% |
2012年 | 2527億円 | 220億円 | 114億円 | 3030億円 | 5630億円 | 52% |
2011年 | 2478億円 | 286億円 | ▲356億円 | 2644億円 | 5232億円 | 48.5% |
2010年 | 2393億円 | 326億円 | 244億円 | 3239億円 | 4797億円 | 64% |