ロシアのプーチン大統領は、2014年8月6日、ロシアに制裁を科した国からの農産物などの輸入を禁止・制限する大統領令に署名した。米国の農産物は、米国で生産され、ロシアに持ち込まれるもの全てが禁じられる。鶏肉などの肉製品も対象になる。EUには果物と野菜が完全に禁じられる。禁輸措置の期間は1年間。

また、2014年8月7日、ウクライナの航空会社がロシア領空を通過することを禁じた。欧米の航空会社にも対象を広げる検討に入った。欧州とアジアを結ぶ多くの便がロシア上空を通過している。実現すれば、欧州の主要都市と日本やアジアを結ぶ路線などで航路を変更する必要が出てくる可能性がある。一方、ロシアは欧米の航空会社からシベリア上空の通過料を受け取っているため、航空会社がロシア上空を回避すれば、収益源を失う可能性がある。


ロシアの対欧米制裁

日付 内容
3月21日 9人の米政府高官や議員らのロシアへの渡航制限
8月6日 欧米の農産物の輸入を禁止
8月7日 ウクライナ航空会社のロシア領空を通過禁止→欧米にも拡大へ

【空路への影響】
 空の安全低下を受け、航空会社が機体の損傷などに関し損害保険会社と結ぶ契約の保険料が今後高騰すると予想される。旅客需要と業績への影響が懸念される。

項目 内容
空路への影響 ウクライナの航空会社のロシア領空通過を禁止
欧米の航空会社にも対象拡大を検討
機体の損害保険料の高騰懸念