ウクライナ政府は、2014年9月16日、親ロシア派武装勢力が実効支配する東部地域に強い自治権を持つ「特別な地位」を与える法案を可決した。「特別な地位」はドネツク州、ルガンスク州の約3分の1地域に3年間適用されるもよう。また、親ロ派に対して刑事責任を問わないとする法案も採択した。
ウクライナ政府と親ロシア派武装勢力は、2014年9月5日、ウクライナの和平に関する覚書に署名。ウクライナ東部のドネツク州、ルガンスク州の統治体制では「特定地域に暫定的自治権を付与する特別な地域に関する法律を定め、地方分権を実施する」、ウクライナ政府による親ロ派戦闘員の恩赦では「両州の出来事に関与した人の刑事訴追を見送る法律を採択する」と明記していた。
なお、「特別な地位」に関して、親ロ派側は独自軍の編成権や司法権など準国家権限を主張。ウクライナ政府側は一定の地方分権にとどめると主張している。