欧州安保協力機構(OSCE)は、2014年9月7日、ウクライナ政府と親ロシア派武装勢力が9月5日に署名したウクライナの和平に関する覚書を公表した。
ウクライナ東部のドネツク、ルガンスク州の統治体制では「特定地域に暫定的自治権を付与する特別な地域に関する法律を定め、地方分権を実施する」と明記。ウクライナ政府による新ロ派戦闘員の恩赦では「両州の出来事に関与した人の刑事訴追を見送る法律を採択する」と明記。対象を「テロリスト」と見なしてきた新ロ派幹部にも広げた。また、「ウクライナ領土から違法な武装組織、兵器、雇い兵を撤収させる」とし、新ロ派の武装解除やロシア軍の撤退ではなく「違法な武装組織」との表現にとどめた。
なお、ウクライナ東部の「特別な地位」に関して、新ロ派は独自軍の編成権や司法権など準国家権限を主張。ウクライナ政府側は一定の地方分権にとどめると主張している。
2014年9月中に両者による本格的な和平交渉が始まる見通し。
ウクライナ和平に関する覚書
項目 | 内容 |
覚書 | ウクライナ政府軍と親ロシア派武装勢力による即時停戦 |
ウクライナ領土から違法な武装組織、兵器、雇い兵を撤収 | |
ドネツク、ルガンスク両州での特定地域に「特別な地位」を付与 | |
ドネツク、ルガンスク両州での出来事に関与した人の刑事訴追見送り |