不動産業界でアパートや1棟マンションなど投資用物件の在庫を圧縮する動きが広がり始めている。スルガ銀行による不適切融資などの影響で、個人が不動産に投資するのが難しくなり、投資用物件の相場が下げに転じたため。
個人による不動産投資は2012年頃から盛り上がり始めた。日銀が異次元緩和に踏み込んだことをきっかけに、地銀など金融機関の融資姿勢が緩み、借り入れで膨張した個人マネーが不動産投資に向かった。2017年に日銀は、金融システムリポートで「一部の地域銀行が、経済の実勢に比べ、不動産向け貸し出しを大幅に増やしている可能性が示唆される」などと指摘。2018年はスルガ銀行によるシェアハウス投資への不適切融資が表面化。金融機関の不動産投資への融資姿勢は急激に厳しくなった。