イタリアのマッタレッラ大統領が反EUを掲げる議会多数派の閣僚人事を認めず、自ら主導して新内閣発足に行動。政治の混乱による経済停滞を嫌気し、イタリアの10年物国債利回りが急落。2018年5月29日には10年物国債利回りが一時3.4%近辺に上昇した。また、イタリア国債の急落を受け、リスクを回避する動きが強まったことから通貨ユーロが急落した。
イタリアのマッタレッラ大統領は、2018年5月23日、次期首相に反EU派の「五つ星運動」「同盟」が推薦したジュセッペ・コンテ氏を指名した。また、「五つ星運動」「同盟」による連立政権が近く発足。EU懐疑派の台頭で英国のEU離脱で揺れる欧州政治に不透明感が出てきた。
2018年5月27日、マッタレッラ大統領は、次期首相に指名したジュセッペ・コンテ氏によるEU懐疑派の閣僚人事案を拒否。2018年5月28日にIMF元高官のカルロ・コッタレッリ氏を次期首相候補に指名し、組閣を命じた。コッタレッリ氏は、2018年5月28日、「あくまで中立的な暫定内閣となり、近く再選挙が実施される」と明言した。
2018年5月31日、マッタレッラ大統領は、ジュセッペ・コンテ氏を次期首相に任命した。新政権は大規模な財政拡大による景気刺激を狙っているとされる。EUは難色を示すのが必至で、EUとの関係悪化も懸念される。