イタリア中央銀行は、2016年12月29日、イタリア銀行3位のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナに対するイタリア政府による公的支援の負担額の試算を66億ユーロ(約8100億円)と発表した。21億ユーロをモンテパスキの中核的な自己資本比率の8%への引き上げに、25億ユーロを補完的項目を含めた自己資本比率の11.5%への引き上げに、20億ユーロを実質的な個人投資家の損失肩代わりに充当する。

約4万人の個人投資家については、ほとんど価値がない株式を、保有していた劣後債と同じ額面の一般債と交換し、損失を負わないようにする。一方、22億ユーロ分はモンテパスキの劣後債を保有する機関投資家が損失として被る見通し。機関投資家が保有する劣後債を強制的に株式に転換。モンテパスキの株価は大幅に下落しているため、公的支援の前提となる欧州委員会のルールに従った形で機関投資家にも負担を求める。

イタリア政府は健全化が必要な銀行向けに200億ユーロの予算を確保している。