イタリア政府は、2016年12月23日、イタリア銀行3位のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナへの公的支援を閣議決定したと発表した。経営健全化に向けた増資計画に失敗し、自力再建を断念。公的資金を投じて救済し、問題が他の銀行に飛び火するのを防ぐ。
EUのルールでは、国が銀行を救済すると株主や銀行債保有者が一定の損失を被る。イタリアでは多くの個人が銀行債を持ち、一斉に損失を負わせると社会問題に発展する懸念がある。イタリア政府のモンテパスキ支援策は、劣後債を持つ小口投資家を保護する仕組み。モンテパスキへの公的支援は他の銀行の先例となる見通しで、欧州委員会が承認するかが焦点となる。
イタリア政府は今後、承認の権限を持つ欧州委員会と注入額などを協議する。