EU離脱を巡る英国の国民投票を6月23日に控え、英欧の中央銀行は市場を安定させる対策に動く。離脱が現実になれば資金の引き上げが加速しかねない。十分な資金供給などで銀行の資金繰りを支え、市場の混乱を回避する。
英イングランド銀行は、2016年6月14日、約3700億円を臨時で供給した。資金供給は通常月に1回だが、国民投票のある6月は毎週1回の計4回に増やす。投票日に向けてポンド相場が急変動する懸念もあり、市場の混乱を抑える。
ECBは、2016年6月22日に銀行に法人向けの融資を促す狙いで、長期資金を供給する手続きを始める方針。投票日前に厚めに資金を供給する体制を整え、不測の事態に備える。また、ECBは2番目の策として臨時の資金供給を検討する。機動的に市場介入できるように外貨を中銀同士が融通し合うことも視野に入れる。
英国民投票に向けた英欧中銀の備え
中銀 | 備え |
英中銀 | 毎週1回、計4回の臨時資金供給 |
ECB | 6月22日に長期資金を供給する手続きを開始 |
臨時の資金供給を検討。外貨を中銀同士が融通し合うことを視野 |