英議会下院は、2019年3月12日、メイ首相が示したEUからの離脱案を否決した。英議会は、13日に「合意無き離脱」の是非を問う採決を実施。それが否決されれば、14日に「3月末の離脱延期」の是非を諮る。
離脱協議は、アイルランドの国境復活をふさぐ対応策を巡って紛糾が続いている。英・EUの当初案には、国境管理の回避策として英全土を関税同盟に残す「安全策」が盛り込まれていたが、英議会は「EUルールに縛られ続ける」と反発。メイ首相とEUは、2019年3月11日、「EUが英国を無期限に安全策に拘束しないこと」などを盛り込んだ共同文書を追加することで合意したが、国境管理の回避策が見つからなければ、英国が安全策から抜けられない可能性が高い。このため、法的な実効性が弱いとして、反対を決めた。