三菱自動車は、2016年4月20日、軽自動車4車種で燃費を実際よりも良く見せるため、不正な操作が行われていたことが判明したと発表した。実際の燃費は届け出数値よりも5～10％悪くなる可能性があるという。また、国内法規で定められたものと異なる試験方法がとられていたことも判明した。

該当車は2013年6月から生産している「eKワゴン」「eKスペース」、日産自動車向けに供給している「デイズ」「デイズルークス」。2016年3月末までに15万7000台を発売。日産自動車向けに46万8000台を生産。合計62万5000台となっている。該当車は生産・販売を停止。日産自動車でも販売を停止した。

不正発覚を受け、国土交通省は三菱自動車に対する処分を検討する。三菱自動車は外部有識者による委員会を設置し、不正の詳細な内容を調査。結論がまとまるには3ヶ月程度かかる見通し。

補償については今後協議するとしている。エコカー減税の減税幅が変わり、負担が生じる場合などに購入者への補償を検討するとみられる。

また、その他の国内市場向け車両についても、国内で定められた手順ではなく、米国で採用されているものに近い方法がとられていたことも判明。海外市場向け車両についても調査を行うとしている。

「eK」シリーズは、三菱自動車の最量販車種。軽自動車は全体の販売のうち約60％を占めている。


三菱自動車の燃費不正操作問題

項目 内容
不正 燃費を実際よりも良く見せるために不正な操作
該当台数 62万5000台
該当車種 「eKワゴン」「eKスペース」「デイズ」「デイズルークス」
対応 外部有識者による委員会を設置し調査
補償 エコカー減税の減税幅が変わり、負担が生じる場合などへの補償を検討
国土交通省 処分を検討

 
三菱自動車

【業績推移】
三菱自動車は2000年にリコール隠しが発覚。2004年にさらなるリコール隠しが発覚し、経営危機に陥った。その後経営危機を脱し、2013年度から復配した。

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2015年(予) 2兆2600億円 1300億円 1000億円 - - -
2014年 2兆1807億円 1516億円 1181億円 6707億円 1兆5828億円 41.6％
2013年 2兆934億円 1294億円 1046億円 5500億円 1兆5438億円 35％
2012年 1兆8151億円 939億円 379億円 3512億円 1兆4528億円 23.4％
2011年 1兆8072億円 609億円 239億円 2656億円 1兆3213億円 19.5％
2010年 1兆8284億円 389億円 156億円 2480億円 1兆3125億円 18.2％
2009年 1兆4456億円 129億円 47億円 2344億円 1兆2586億円 17.8％
2008年 1兆9735億円 ▲149億円 ▲548億円 2230億円 1兆1380億円 18.8％
2007年 2兆6821億円 857億円 347億円 3281億円 1兆6094億円 19.7％
2006年 2兆2028億円 185億円 87億円 3083億円 1兆7786億円 16.6％
2005年 2兆1200億円 ▲177億円 ▲921億円 2812億円 1兆5575億円 17.2％
2004年 2兆1226億円 ▲1761億円 ▲4747億円 3247億円 1兆5892億円 20.4％
2003年 2兆5194億円 ▲1102億円 ▲2154億円 299億円 2兆290億円 1.5％
2002年 3兆8848億円 543億円 373億円 2802億円 2兆4253億円 11.6％
2001年 3兆2006億円 118億円 112億円 2706億円 2兆8945億円 9.4％
2000年 3兆2767億円 ▲940億円 ▲2781億円 2560億円 2兆9816億円 8.6％


【地域別売上高・営業利益推移】

    日本 北米 欧州 アジア オセアニア その他
2014年 売上高 1兆8396億円 3055億円 796億円 6343億円 2180億円 288億円
営業利益 859億円 25億円 79億円 281億円 107億円 6億円
2013年 売上高 1兆7443億円 2672億円 1286億円 6166億円 2090億円 304億円
営業利益 683億円 27億円 82億円 423億円 46億円 10億円
2012年 売上高 1兆4446億円 1750億円 1208億円 6593億円 1637億円 276億円
営業利益 92億円 ▲60億円 112億円 572億円 ▲25億円 9億円

 

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