三菱自動車(7211)は、2013年11月6日、2014年~2016年度の中期経営計画を発表。2016年度の業績目標を売上高2兆6000億円、営業利益1350億円とした。販売台数を143万台に設定。そのうち東アジア諸国連盟(ASEAN)での販売を39万台まで増やす。また、1100億円のコスト削減にも取り組む。
2014年~2016年度経営計画
2016年度の業績目標は売上高2兆6000億円、営業利益は1350億円とした。年間平均1000億円の設備投資と800億円の研究開発費を投入。新興市場での体制強化や品質力を高める投資を行う。また、プラットフォームや車種数を減らすことで1100億円のコスト削減をすすめる。
売上高 | 営業利益 | 販売台数 | |
2016年(目標) | 2兆6000億円 | 1350億円 | 143万台 |
2013年(予) | 2兆1300億円 | 1000億円 | 50万台(4-9月) |
2012年 | 1兆8072億円 | 673億円 | 98.7万台 |
【売上拡大】
2016年度の販売台数を143万台に設定。売上高の大半を占めるピックアップトラック、SUV(多目的スポーツ車)、クロスオーバー系車種を戦略商品と位置付け、構成割合を2013年の57%から2016年には63%に、売上高に占める割合を68%から74%に引き上げる。 基幹車種「トライトン」「パジェロスポーツ」の新型車を2014年度、2015年度にそれぞれ投入。新型「RVR」「デリカD:5」「パジェロ」の開発やプラグインハイブリッドEV車両の技術開発を推進。2015年度以降に順次市場に投入し、売上高の拡大につなげる。
【地域】
東南アジア諸国連盟(ASEAN)での販売を2016年度に36万台まで増やす。タイ・インドネシアを中心に更なる発展を目指すと共に、新たにフィリピンを中核市場と位置付け事業強化を図る。赤字が続く北米では2015年に黒字化したい意向。プラグインハイブリッド車を投入し再生させる。
【次世代技術開発】
2020年に電動車両の生産比率を20%まで高める。また、スマートフォンを介してクルマをインターネットにつなぐ技術の採用を通じ、クルマのIT化を進める。
【コスト削減】
2016年度に2013年度比1100億円規模のコスト削減を目指す。旧モデルや地域専用車の削減でプラットフォーム数を9から7に整理。車種数も18から13まで減らす。また、需要の伸びが見込まれる新興国で生産を拡大。海外生産比率を増やす。一方、日本では日産自動車と共同で生産稼働率を向上。将来的には軽自動車をベースにした電気自動車を出したい意向。軽はエンジンを載せ替えてアフリカなど新興国にもチャンスがあるとしている。
項目 | 内容 |
コスト削減 | 1100億円 |
プラットフォーム数 | 9→7 |
車種数 | 18→13 |
生産 | 新興国拡大。日本は軽自動車に重点 |
【設備投資計画】
2014年1月に増資。優先株取得後、残高が生じた場合には増資により調達した資金を設備投資の一部に充当する。名古屋製作所、水島製作所で製造する新型車対応に係わる設備投資、全世界で生産を行う新型車研究設備投資資金に充当する。
投資対象 | 投資予定額 | 実施時期 | 資金調達方法 |
自動車生産設備 | 827億円 | 2014年1月~2016年3月 | 自己資金、借入金、増資資金 |
自動車開発研究設備 | 158億円 | ||
自動車販売拠点整備 | 45億円 | ||
その他 | 116億円 |
業績
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2015年(予) | 2兆2800億円 | 1300億円 | 1000億円 | - | - | - |
2014年 | 2兆1807億円 | 1516億円 | 1181億円 | 6707億円 | 1兆5828億円 | 41.6% |
2013年 | 2兆934億円 | 1294億円 | 1046億円 | 5500億円 | 1兆5438億円 | 35% |
2012年 | 1兆8151億円 | 939億円 | 379億円 | 3512億円 | 1兆4528億円 | 23.4% |
2011年 | 1兆8072億円 | 609億円 | 239億円 | 2656億円 | 1兆3213億円 | 19.5% |
2010年 | 1兆8284億円 | 389億円 | 156億円 | 2480億円 | 1兆3125億円 | 18.2% |
2009年 | 1兆4456億円 | 129億円 | 47億円 | 2344億円 | 1兆2586億円 | 17.8% |
2008年 | 1兆9735億円 | ▲149億円 | ▲548億円 | 2230億円 | 1兆1380億円 | 18.8% |
2007年 | 2兆6821億円 | 857億円 | 347億円 | 3281億円 | 1兆6094億円 | 19.7% |
2006年 | 2兆2028億円 | 185億円 | 87億円 | 3083億円 | 1兆7786億円 | 16.6% |
2005年 | 2兆1200億円 | ▲177億円 | ▲921億円 | 2812億円 | 1兆5575億円 | 17.2% |
2004年 | 2兆1226億円 | ▲1761億円 | ▲4747億円 | 3247億円 | 1兆5892億円 | 20.4% |
2003年 | 2兆5194億円 | ▲1102億円 | ▲2154億円 | 299億円 | 2兆290億円 | 1.5% |
2002年 | 3兆8848億円 | 543億円 | 373億円 | 2802億円 | 2兆4253億円 | 11.6% |
2001年 | 3兆2006億円 | 118億円 | 112億円 | 2706億円 | 2兆8945億円 | 9.4% |
2000年 | 3兆2767億円 | ▲940億円 | ▲2781億円 | 2560億円 | 2兆9816億円 | 8.6% |
【地域別売上高・営業利益】
日本 | 北米 | 欧州 | アジア | オセアニア | その他 | ||
2014年 | 売上高 | 1兆8396億円 | 3055億円 | 796億円 | 6343億円 | 2180億円 | 288億円 |
営業利益 | 859億円 | 25億円 | 79億円 | 281億円 | 107億円 | 6億円 | |
2013年 | 売上高 | 1兆7443億円 | 2672億円 | 1286億円 | 6166億円 | 2090億円 | 304億円 |
営業利益 | 683億円 | 27億円 | 82億円 | 423億円 | 46億円 | 10億円 | |
2012年 | 売上高 | 1兆4446億円 | 1750億円 | 1208億円 | 6593億円 | 1637億円 | 276億円 |
営業利益 | 92億円 | ▲60億円 | 112億円 | 572億円 | ▲25億円 | 9億円 |