沢井製薬は、2020年度までに特許が切れた医薬用医薬品の成分を使って作る後発医薬品の生産能力を増強する計画。2014年度の80億錠から2017年度までに155億錠に、2020年度までに180億錠に引き上げる。投資額は640億円程度とみられる。新工場の建設や他社工場の買収も視野にいれる。
2014年4月の診療報酬改定で、新薬を後発薬に切り替えると報酬が増える仕組みになった。後発薬に利用に消極的だった病院でも方針が変わる可能性がある。また、政府が後発薬の普及を2017年度末の70%から2018~2020年度に80%以上にすることを決定したことを受け、大幅な生産能力拡大に踏み切る。
沢井製薬 後発医薬品の生産能力増強計画
項目 | 内容 |
投資額 | 640億円 |
対象 | 新工場の建設や他社工場の買収 |
生産能力 | 2014年80億錠→2020年180億錠 |
後発医薬品に関する政府の動き
項目 | 内容 |
政府方針普及率 | 2017年度70%以上→2018~2020年度80%以上 |
診療報酬改定 | 2014年4月に新薬を後発薬に切り替えると報酬増に変更 |
参考
・2014年内に国内売上高が約1200億円の武田薬品の高血圧薬「ブロプレス」や2016年以降には大塚製薬の「エビリファイ」など各社主力の特許が切れ、後発薬を売り出せるようになる。
・米国市場に2017年春にも参入する方針。コレステロール値を下げる薬の販売を米食品医薬品局(FDA)に申請しており、認可が下りれば販売を開始する。
後発医薬品の市場規模見通し
2014年 | 2020年 | |
後発医薬品 | 1兆2000億円 | 1兆9000億円 |
沢井製薬の業績推移
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2015年(予) | 1240億円 | 217億円 | 155億円 | - | - | - |
2014年 | 1054億円 | 206億円 | 140億円 | 1123億円 | 1661億円 | 67.6% |
2013年 | 898億円 | 190億円 | 121億円 | 1013億円 | 1493億円 | 67.8% |
2012年 | 805億円 | 176億円 | 120億円 | 614億円 | 1278億円 | 48% |
2011年 | 676億円 | 150億円 | 90億円 | 585億円 | 1233億円 | 47.4% |