帝人の炭素繊維関連情報。

自動車向けでは、帝人と米GMが車体の構造材と呼ぶ骨格部分を鉄から炭素繊維に置き換える技術を開発中。共同開発は商業化に向けて最終段階で、「材料」としての正式な認定を取得したという。

航空機向けでは、エアバスの中型機(座席数250~400)のA350XWB向けの認定作業が終了し、搭載が決定。これまではエアバスの骨格部分向けに炭素繊維の原糸などを供給してきたが、胴体や翼など主要部材に採用されるもよう。

帝人は、米国に炭素繊維の新工場を建設する方針。航空機への需要増や自動車の車体軽量化のための本格採用を見込み、日本、ドイツに次ぐ主力拠点を建設する。また、自動車向け樹脂部品加工の米CSPを買収。CSPの加工技術を炭素繊維複合材の加工に活用。北米自動車市場における販売チャネルを獲得する。


帝人の炭素繊維事業推移

項目 内容
自動車向け GMから「材料」としての正式な認定を取得
航空機向け A350XWB向けに搭載


大型投資で販売チャネルを獲得

自動車向け樹脂部品加工の米コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)を買収。買収額は約840億円。完了は2016年12月。

CSPは、ガラス繊維複合材などが強み。帝人は、CSPの加工技術を炭素繊維複合材の加工に活用。北米自動車市場における販売チャネルを獲得し、米ビッグスリーへの供給を増やす。

項目 内容
買収額 840億円
対象 米CSPの全株式
効果 CSPの加工技術を炭素繊維複合材の加工に活用
北米自動車市場における販売チャネルを獲得
完了 2016年12月


米国に炭素繊維の新工場

米国に炭素繊維の新工場を建設する方針。投資額は約300億円。生産能力は3000トン。稼働は2018年。帝人の炭素繊維の生産能力は約30%増の1万4500トンになる見通し。将来的には新工場だけで最大年2万トンまで生産能力の引き上げが可能という。

航空機への需要増や自動車の車体軽量化のための本格採用を見込み、日本、ドイツに次ぐ主力拠点を建設する。

項目 内容
投資額 300億円
対象 米国に炭素繊維の新工場
生産能力 3000トン
稼働 2018年


帝人の業績推移

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2017年(予) 8550億円 630億円 420億円 - - -
2016年 7412億円 559億円 501億円 3518億円 9640億円 35.1%
2015年 7907億円 603億円 310億円 3144億円 8234億円 36.4%
2014年 7861億円 423億円 ▲80億円 3036億円 8236億円 34.9%
2013年 7844億円 198億円 83億円 3001億円 7684億円 36.7%
2012年 7457億円 97億円 ▲291億円 2921億円 7623億円 35.6%
2011年 8543億円 342億円 119億円 3122億円 7621億円 38.3%

 

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