帝人は2016年に向けた構造改革戦略を策定。素材事業で生産体制の再編と汎用品ビジネスを縮小。構造改革による収益改善やコスト削減などで、2011年比400億円を削減し、2016年に売上高8000億円、営業利益500億円、ROE8%を目指す。
2016年の経営計画
項目 | 2016年 | |
売上高 | 8000億円 | |
営業利益 | 500億円 | |
純利益 | 250億円 | |
ROE | 8% | |
コスト削減 | 構造改革 | 130億円~175億円 |
コストダウン | 230億円 | |
戦略投資 | 15~16年に累計1000億円 |
構造改革
事業 | 項目 | 内容 |
電子材料・化成品 | ポリカーボネート樹脂 | シンガポールの生産工場を15年12月末閉鎖 |
中国と松山工場の2拠点体制に移行 | ||
高機能繊維 | メタ系アミラド繊維 | タイ新工場が15年に立ち上げ |
ポリエステル繊維 | 国内生産体制を縮小し、タイに移管 | |
原料・重合 | テレフタル酸ジメチル | 自社生産を15年末停止 |
【電子材料・化成品事業】
CDのディスクや家電製品の外装材などに使われるポリカーボネート樹脂事業では採算性が低下しているシンガポールの生産工場を2015年12月末までに撤収する。競争力のある中国と高機能品開発の松山工場の2拠点体制に移行し、汎用品ビジネスを縮小する。
【高機能線維事業】
メタ系アミラド繊維では、2015年立ち上げ予定のタイ新工場で防護衣料向けを中心にアジアで拡大。ポリエステル繊維では、タイで既存工場の能力増強を実行する。国内生産体制は、岩国事業所・三原事業所・徳山事業所の生産機能を松山工場とタイに移管。2017年度をめどに徳山事業所を閉鎖、岩国事業所・三原事業所の工業繊維と加工生産工場を停止する。
【原料・重合部門】
テレフタル酸ジメチル(DMT)の自社生産を2015年度末までに停止。
コストダウン
原燃料費や物流費、販管費などの経費削減などから構造改革効果170億円と合わせ、2016年度までの削減目標である400億円を達成する(2011年度比)。
戦略投資
2015年~2016年度累計で1000億円規模の戦略投資を実施。M&Aを含め、熱可塑性CFRP、電池部材、先端医療材料などに投入する。
業績推移
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2015年(予) | 8250億円 | 475億円 | 250億円 | - | - | - |
2014年 | 7861億円 | 423億円 | ▲80億円 | 3036億円 | 8236億円 | 34.9% |
2013年 | 7844億円 | 198億円 | 83億円 | 3001億円 | 7684億円 | 36.7% |
2012年 | 7457億円 | 97億円 | ▲291億円 | 2921億円 | 7623億円 | 35.6% |
2011年 | 8543億円 | 342億円 | 119億円 | 3122億円 | 7621億円 | 38.3% |