ニコンの再生医療関連の動き。2007年から生きた細胞を評価するための観察装置を製造販売。2013年3月にはiPS細胞で失われた網膜の黄斑を再生する医療に用いる「網膜細胞シート」の作製を手がけるヘリオスに出資。2017年には細胞培養受託の開始やiPS細胞培養装置を実用化する見通し。
細胞培養
項目 | 実用化 |
細胞受託生産 | 2017年 |
iPS細胞培養装置 | 2017年 |
細胞の量産技術 | 2018年 |
【細胞受託生産】
2015年5月7日、スイスLonzaと日本における細胞受託生産で業務提携。2015年上期に受託生産を開始する。また、ニコンは東京都内に細胞培養施設を設置。投資額は約30億円。稼動は2017年秋。本事業の売上計上は2017年度以降となる見通し。
Lonzaは再生医療向け細胞生産で世界最大手。米国立衛生研究所(NIH)の臨床試験用iPS細胞の作製も受託している。
提携によりニコンはLonzaの持つ生産システムや特許の供与、コンサルティングうサービスの提供を受ける。体性幹細胞などの細胞生産ノウハウの基礎を習得し、将来のiPS細胞の再生医療の実用化に向けた取組を加速する。
項目 | 内容 |
提携内容 | 日本での細胞受託生産 |
工場竣工 | 2017年秋 |
【iPS細胞培養装置】
ニコンと澁谷工業、理化学研究所は、iPS細胞培養装置を共同開発。2017年をめどに病気や事故で傷ついたところに移植する細胞シートの量産技術確立を目指す。
項目 | 内容 |
開発 | iPS細胞培養装置 |
企業 | ニコン 澁谷工業 理化学研究所 |
実用化 | 2017年 |
【細胞の量産技術】
産学官が連携し、再生医療の技術で心筋や神経、網膜などを安く大量に作り出す手法を確立するため共同開発。4チームが設立され、経済産業省は各チームに1~7億円の補助金を提供。細胞の培養、臓器の形成、保存・輸送の作業工程を自動化。2018年の実用化を目指す。
項目 | 内容 |
チーム | 網膜・肝細胞 |
企業・機関 | ニコン |
大日本印刷 | |
大阪大学 | |
東京大学 | |
女子医科大学 | |
実用化 | 2018年 |
出資
【ヘリオスに出資】
ヘリオスはiPS細胞で失われた網膜の黄斑を再生する医療に用いる「網膜細胞シート」の作製を手がける。また、加齢黄斑変性の治療法開発を端緒として、視細胞、網膜細胞薬、検査法開発などを目指すとしている。これらの新たは開発対象の実験は、加齢黄斑変性の細胞シートが実用化されてから開始する見通し。
項目 | 内容 |
出資額 | 5億円 |
対象 | ヘリオス |
内容 | 網膜細胞の製造工程管理に関して独占的に協議 |
商品
【観察装置】
2007年から生きた細胞を評価するための観察装置を製造販売。皮膚などから採油した細胞を培養する際に、容器全体をデジタル顕微鏡でiPS細胞に育ちそうな候補を素早く選べる。
業績推移
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2015年(予) | 8550億円 | 410億円 | 220億円 | - | - | - |
2014年 | 8577億円 | 463億円 | 183億円 | 5722億円 | 9729億円 | 58.6% |
2013年 | 9805億円 | 617億円 | 468億円 | 5468億円 | 9495億円 | 57.5% |
2012年 | 1兆104億円 | 483億円 | 424億円 | 4902億円 | 8646億円 | 56.6% |
2011年 | 9186億円 | 893億円 | 593億円 | 4336億円 | 8602億円 | 50.3% |
2010年 | 8875億円 | 558億円 | 273億円 | 3892億円 | 8299億円 | 46.8% |