中外製薬は、2015年3月2日、米アサーシスと虚血性脳梗塞に関する再生医薬製品の日本国内の開発・販売で独占的なライセンスを締結したと発表した。投資額は最大で約240億円。契約一時金で1000万ドル(約11億円)、当局による承認時に最大4500万ドル(約53億円)、上市後の売上額に応じて最大175億円を支払う。早ければ2016年から日本での開発を始める見通し。
健常者の骨髄液から作った細胞医薬品を投与し、発症後1~2日後の患者に麻痺が起こるのを防ぐ。中外製薬は日本で臨床開発と販売を、アサーシスは製品供給を行う。アサーシスは中外製薬への製品提供に応じた金額に加え、純売上に対する2桁台のロイヤリティを受け取る。
虚血性脳梗塞は脳卒中の主要な病態で、脳内の血流が遮断することで引き起こされる。酸素や栄養が脳に供給されないため、組織の壊死や身体の不自由を招くことがある。治療法として血栓溶解剤の投与があるが、発作発生後数時間以内に投与する必要があり、治療を受けられる患者はわずかとなっている。虚血性脳梗塞の世界での患者数は1500万人以上。
中外製薬 再生医薬品のライセンス取得
項目 | 内容 |
取得額 | 240億円 |
対象 | 米アサーシスの虚血性脳梗塞に関する再生医薬品 |
開発 | 2016年 |