エーザイや塩野義製薬などは、認知症の悪化を抑える新薬の開発を進める。病気のメカニズムが難しく実用化が難航している。原因のたんぱく質を減らす手法で2020年以降の実用化を目指す。

世界の認知症患者数は2025年に6000万人強に達する見通し。日本の認知症患者数は2012年の460万人から2025年に700万人に、認知症薬の市場規模は2020年に2013年比75%増の2420億円となる見通し。認知症患者に対応する医療や介護の費用が膨らみ、高齢化が進む国に共通する社会問題となっている。

エーザイは、2020年代までに1200億円を投じて認知症の治療薬創出を目指す。塩野義製薬は米大手ヤンセンファーマに開発権を導出。中外製薬は提携先のロシュが実施する新薬の国内臨床試験を開始した。


認知症 新薬開発関連の動き

企業 内容
エーザイ 2020年代までに1200億円を投じて治療薬創出を目指す
塩野義製薬 米ヤンセンファーマに開発権を導出
中外製薬 ロシュが実施する新薬の国内臨床試験を実施
トランスジェニック アルツハイマー治療薬を共同研究開発
免疫生物研究所


【エーザイ】
 2020年代までに1200億円を投じて認知症の治療薬創出を目指す。認知症の発症に関わるたんぱく質「アミロイドメータ」を減らし、認知機能の改善を促す薬を開発する。新薬が製品化できれば年1000億円以上を売る大型薬となる可能性があるという。開発中の「BAN2401」では2018年7月26日、第2相の治験で認知機能の低下を抑える効果を確認したと発表した。


【トランスジェニック 免疫生物研究所】
2017年6月、アルツハイマー治療薬に関する共同研究開発契約を締結。免疫生物研究所が所有する毒物アミロイドβ42に対する抗体そ、トランスジェニックが所有するモデルハウスを用いて、アルツハイマー病治療薬としての効果・効能評価を行う。また、医薬品としての開発可能性検討にも共同で取り組む。

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