トランスジェニックと免疫生物研究所は、2017年6月26日、アルツハイマー病治療薬に関する共同研究開発契約を締結すると発表した。免疫生物研究所が所有する毒物アミロイドβ42に対する抗体を、トランスジェニックが所有するモデルマウスを用いて、アルツハイマー病治療薬としての効果・効能評価を行う。また、医薬品としての開発可能性の検討にも共同で取り組む。

アルツハイマー病は、記憶、認識、判断などの認知機能低下を主な症状とする認知症の原因疾患の一つ。認知症患者数は日本で2025年に700万人まで増加する見通しで、アルツハイマー病はそのうち60%以上を占める。また、認知症治療薬の国内市場規模は2022年に2000億円を超える見通し。

アルツハイマー病には、対症療法として進行を抑制する抗コリンエステラーゼ阻害薬が用いられているが、根治できる薬物療法はない。新規の有効な治療薬の開発が期待されている。