テルモは、2014年3月14日、生体吸収性ステントを開発するフランスのART社と共同開発で提携及び独占買収権を取得したと発表した。開発が軌道に乗れば完全子会社にする方針で、買収額は150億円規模になるとみられる。

ステントとは、狭窄や閉塞した血管の内腔を拡げる筒状の埋め込み型治療器で、心臓の冠動脈における狭心症や心筋梗塞の治療などに使用される。テルモは冠動脈治療領域において、金属製薬剤溶出型ステントを販売。今回、標準的に使用されると見込まれる生体吸収性ステントに取り込むことで、今後、金属製薬剤溶出ステントと合わせた両輪での成長を図るとしている。

ステントは、現在世界で500万本が使用されている。2020年には650万本に増加し、半数以上が金属製ステントから生体吸収性ステントになる見通し。テルモは、金属製薬剤溶出型ステントと生体吸収性ステントを合わせた全体の売上高を500ピーク時で500億円と見込んでいる。


テルモ 生体吸収性ステント企業の独占買収権取得

買収額 売上高見通し 計画
150億円 500億円 2017年に欧州市場で新製品→その後日本・米国でも発売