東京電力と中部電力は、東電の常陸那珂火力発電所に石炭火力発電所を共同建設し、営業区間をまたぐ「越境販売」を前提で提携する。 東京電力は経営再建中のため設備投資に回す自己資金が足りない。そこで新規火力発電建設の入札を実施し外部資本を活用する。一方、中部電力は東電と組む形で応札し、設備投資800億円の9割を出資。全体の電力のうち7割を東電に、3割を中部電に卸供給する。
政府は、電力会社から送電部門を切り離す電力システム改革方針を決定し、15年に地域をまたぐ電力供給設備を整え、16年に電力小売り参入を自由化。18年から20年をめどに電力料金も全面自由化する。 電力市場は00年以降の規制緩和で、工場や商業施設などの大口契約については営業区間をまたいだ「越境販売」が可能になっている。しかしながら、現在まで九州電力が中国電力管内にある広島市のイオンの店舗に供給する1件のみにとどまっているという。 16年の電力小売り参入自由化に向け布石を打つ。 19年稼働予定で60万キロワット級の発電所。260万キロワット分の電源を確保する。