東京電力は2016年度に黒字の定着により停止している社債発行を再開。東電の改革進行具合により国の議決権比率を50%未満に引き下げる計画。


再建計画

【総合特別事業計画】
2014年1月15日、政府は東京電力の再建計画を認定。2014年度は50歳以上で1000人規模の希望退職を実施。他の電力、ガス会社と共同出資で燃料・火力会社を設立し、共同調達で購入単価を引き下げる。2015年度は管内10支店を廃止。工場発注などで競争入札比率を60%以上に高める。2016年度は持株会社体制に移行し、傘下に「燃料・火力」「送配電」「小売り」の3事業子会社を設置。黒字の定着で停止している社債発行を再開。東電の改革進行具合により国の議決権比率を50%未満に引き下げる。
 

内容
2014年 50歳以上で1000人規模の希望退職実施
2015年 管内の10支店を廃止
工場発注などで競争入札比率を60%以上に
柏崎刈羽原子力発電所の再稼働
2016年 持株会社体制へ移行。「燃料・火力」「送配電」「小売り」の3事業
社債発行を開始
国の議決権を50%未満に


【コスト削減】
2014年1月の総合特別事業計画で示した2022年までのコスト削減目標4兆8000億円から6兆円に拡大する。中部電力との液化天然ガス(LNG)国際入札などで総コストの半分近くを占める燃料コストを圧縮。東北電力や北海道電力と配電設備をはじめとする資材の共同調達範囲を拡大し合理化。火力発電所の定期点検工数削減などで人件費を圧縮する。

販売面では全国での電力販売を拡大。2014年5月にTCS社を新電力に登録。2017年に売上高340億円を達成し、2024年までに1700億円規模への拡大を目指す。

送配電設備の共同調達では中部電力、東北電力、北海道電力と4電力で年560億円、東京電力だけで年350億円のコスト削減効果を見込む。
 

  2013~2022年 項目 コスト削減額
コスト削減 6兆円 送配電設備の共同調達 年350億円


【柏崎刈羽原子力発電所の再稼働】
柏崎刈羽原子力発電所の再稼働時期ごとの2016年3月期単体経常利益見通し。先送りした発電所の修繕費などを計上するため、利益が縮小する。
 

再稼働 単体経常利益
7月 1990億円
10月 650億円
12月 130億円


業績

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2015年 6兆699億円 3259億円 1407億円 2兆2181億円 13兆6597億円 16.1%
2014年 6兆8024億円 2080億円 4515億円 2兆1021億円 14兆2126億円 14.6%
2013年 6兆6314億円 1014億円 4386億円 1兆5774億円 14兆8011億円 10.5%
2012年 5兆9762億円 ▲3269億円 ▲6852億円 1兆1378億円 14兆9891億円 7.5%
2011年 5兆3494億円 ▲4004億円 ▲7816億円 8124億円 15兆5364億円 5.1%
2010年 5兆3685億円 3176億円 ▲1兆2473億円 1兆6024億円 14兆7903億円 10.5%