国立成育医療研究センターの研究グループは、ES細胞を使った国内初の治験計画を国に申請した。生まれつき肝臓で有毒なアンモニアを分解できない病気「高アンモニア血症」の赤ちゃんが対象。不妊治療で使わなくなった余剰の受精卵からES細胞を作製し、アンモニアを分解する働きを持つ肝細胞を移植する。対象は5人で、血液中のアンモニア濃度が下がるかどうかを確かめる。承認されれば2018年にも実施する。

高アンモニア結晶の治療には、母親などからの肝移植が必要。赤ちゃんがある程度の大きさに育つまで手術は難しい。ES細胞を使う再生医療が効果を確認できれば、移植までのつなぎになるという。治験に成功すれば、2020年頃をめどにES細胞を利用した再生医療用製品の実用化を目指す。