米FRBは、2017年4月5日に公表した3月のFOMC議事要旨で、2017年内に保有資産の縮小に踏み切る考えを表明した。
FRBは2008年のリーマンショック後に量的緩和に踏み切り、長期国債や住宅ローン担保証券(MBS)などを大量に買い、市場の底割れを防いできた。量的緩和の終了後も保有債券が満期を迎えると再投資して資産規模を維持。保有資産は1兆ドルから約4兆5000億ドルまで膨らんでいる。
再投資を停止すれば債券市場からFRBという巨大な買い手がいなくなる。長期金利の上昇圧力がさらに強まり、個人の住宅投資や企業の設備投資の重荷になる。
FRBは、保有債券を市場で直接売却すれば影響が大きいため、満期まで保有し、徐々に償還する方針。FRBの保有資産のうち、2018年に満期を迎える米国債は4000億ドル規模で、2017年会計年度の財政赤字見通しの7割に相当するという。