リニア中央新幹線は、東京(品川)~名古屋間を約40分、東京(品川)~大阪間を約1時間で結ぶ。都市部間の実質的な所要時間は航空機の約半分に短縮され、1人あたりの二酸化炭素排出量は航空機の3分の1になる。東京~名古屋間の開業による経済効果は10.7兆円と試算されている。なお、乗車料金は新幹線の10%増となる見通し。
リニア中央新幹線
項目 | 内容 |
時間 | 東京-名古屋を40分 東京-大阪を1時間 |
CO₂排出量 | 航空機の3分の1 |
経済効果 | 東京-名古屋間の開業で10.7兆円 |
乗車料金 | 新幹線の10%増 |
JR東海のリニア計画
JR東海は、2014年10月16日に国土交通大臣からリニアの工事を認可。本格着工した。総事業費は9兆935億円を計画。東京(品川)~名古屋間は5兆5235億円。名古屋~大阪間は3兆5700億円としている。費用はJR東海が自社負担するとしているが、名古屋~大阪間の開業予定の前倒しが計画され、政府からの融資も受け入れる。
経営については、安全・安定輸送の確保と競争力強化に必要な投資を行うとともに、安定配当を継続する健全経営を確保するとしている。
開通 | 区間 | 建設費 |
2027年 | 東京-名古屋 | 5兆5235億円 |
2045年→2037年? | 名古屋-大阪 | 3兆5700億円 |
【2017年】
JR東海は2017年度のリニア中央新幹線の工事及び名古屋のリニア駅周辺の用地取得などに、2016年度4割増しの1590億円を投じる。最難関の南アルプストンネルは既に山梨側、長野側で工事が始まっており、2017年度には本線トンネルの掘削にも着手する予定。
政府による支援
政府は、中央リニア新幹線の名古屋~大阪間の開業予定を前倒しするため、民間では困難なインフラ整備などに融資する「財政投融資」で超長期資金を低利融資する。融資額は3兆円。国が国債発行で資金を調達。政府系金融機関を通じてJR東海に融資する。
2016年11月、鉄道建設・運輸施設整備支援機構法改正法が成立し、鉄道建設・運輸施設整備支援機構がJR東海にリニア中央新幹線の建設資金を貸し出せるようになった。2017年7月に3兆円の融資を完了する。
項目 | 内容 |
融資額 | 3兆円 |
リニア関連での企業の動き
【ゼネコン】
安藤ハザマは、2016年3月、2019年満期のCBで100億円を調達。リニア中央新幹線の受注をにらみ、ジャンボトンネル掘削機や低騒音地下連続掘削機など土木建設用機械の取得などに充当する。
調達額 | 充当先 |
100億円 | ジャンボトンネル掘削機や低温騒音地下連続掘削機など土木建設用機械の取得など |
2016年2月、鹿島、飛鳥建設、フジタで構成する共同企業体と、リニア中央新幹線の工事で最難関とされる「南アルプストンネル」の長野工区で工事契約を結んだ。工期は2016年夏から2026年11月30日。
共同企業体 | 工区 | 工期 |
鹿島 | 南アルプストンネルの長野工区 | 2016年夏~2026年11月 |
飛鳥建設 | ||
フジタ |
2015年8月、大成建設と佐藤工業、銭高組の共同企業体と契約。山梨県早川町から静岡県を経由して、長野県大鹿村に至る全長25キロメートルのトンネルの山梨県側を施工する。工期は2025年10月まで。
共同企業体 | 工区 | 工期 |
大成建設 | 山梨県早川町~長野県大鹿村に至る25キロのトンネル | ~2025年10月 |
佐藤工業 | ||
銭高組 |
【リニア車両】
コード | 企業 | 事業 |
7102 | 日本車輌 | 新型車両LO系の中間3両を製作 |
7011 | 三菱重工業 | 新型車両LO系の先頭2両の製作 |