東京医科大は、東洋大と資生堂と共同で、自家細胞移植による毛髪再生の臨床試験を開始する。患者自身から採取した細胞を培養して移植する方法で、免疫拒絶などの副作用がなく、安全性の高い治療法と考えられる。必要な細胞採取も直径数ミリ程度で、患者の負担が少なく女性を含めた幅広い患者に適用できる。資生堂は再生医療開発室が細胞培養加工で参加する。
資生堂は2013年5月、カナダのバイオベンチャー企業レプリセルから、毛髪再生医療の技術供与を受ける契約を結ぶと発表。資生堂の育毛技術とレプリセルの毛髪再生技術を組み合わせ、有効性などを検証。5年後をめどに再生医療を手がける医療機関への技術提供などの事業化を検討するとしていた。
技術供与を受けるレプリセルの技術は、患者の頭皮から採取・培養した細胞を移植し、脱毛や薄毛を改善する自家細胞移植技術。植毛のような広範囲の頭皮の切除は不要で、患者自身の細胞を移植することから移植後の拒絶反応リスクが少ないという。
臨床試験では、男女60人を対象にはじめ、実用化を目指す。