日本経済研究センターは、2015年9月28日、中国とASEAN4ヶ国を対象にしたアジア経済予測を発表した。

中国は、経済減速の動きが一層鮮明となっており、2015年から2016年にかけて過剰ストックの調整で一段の成長率低下が見込まれる。消費、輸出が停滞する中、投資の減速が今後も続く。

インドネシアは、中国や日本向けの輸出が鈍化。GDPの50%を占める消費も弱い。ジェコ大統領によるインフラ整備の進展が期待される。

タイは、輸出依存度が高く、中国の成長鈍化で成長が伸び悩む。消費回復は腰折れ気味で、民間投資も伸びない。民政移管の遅れは経済にマイナス影響を恐れがある。

マレーシアは、資源安や政治混乱を背景に、周辺国よりも通貨安が進展。公益条件が悪化し、財政や企業収益の重荷になる。

フィリピンは、堅調な内需が牽引し高成長を維持。原油安も追い風。一方、インフラ投資の拡大が計画取りに進むかが不透明となっている。


中国とASEANのGDP見通し

  2014年 2015年 2016年
中国 7.3% 6.8% 6.6%
ASEAN4ヶ国 4.5% 4.4% 4.8%
インドネシア 5% 4.9% 5.4%
タイ 0.9% 2.7% 3.3%
マレーシア 6% 4.4% 4.2%
フィリピン 6.1% 5.5% 6%