九州電力は、2015年8月11日に川内原子力発電所1号機を再稼働。原子炉を起動し、8月14日に発電を再開する。発電再開後は徐々に出力を上昇させながら調整運転を行い、9月10日に通常運転に復帰した。
また、2015年10月15日に2号機を再稼働。10月21日に発電を再開。徐々に出力を上昇させ、11月中旬には通常運転に復帰する。
川内原発再稼働
1号機 | 2号機 | |
原子炉起動 | 2015年8月11日 | 2015年10月15日 |
発電再開 | 2015年8月14日 | 2015年10月21日 |
通常運転開始 | 2015年9月10日 | 2015年11月中旬 |
【再稼働での影響】
・川内原発の場合、1基再稼働すれば燃料費の削減などで月75億円の利益押し上げ効果があると試算されている。
・原発1基が再稼働すれば、化石燃料の輸入が年1000億円前後減ると試算されている。
九州電力 川内原発再稼働への経緯
九州電力の川内原子力発電所1、2号機は、2014年3月に原子力規制委員会から原発再稼働の優先審査対象に選定され、規制委は審査に人員を集中させた。2014年9月10日、合格証明書にあたる「審査書」を正式に了承。2015年3月18日には1号機で原発設備の詳細設計を記し、再稼働の前提となる「工事計画」を認可。2015年5月22日には2号機も認可した。
一方、再稼働には鹿児島県や薩摩川内市の同意が必要だったが、2014年10月28日、川内市の市議会が臨時本会議を開き、原発再稼働に賛成する陳情を賛成多数で採択。2014年11月7日には鹿児島県が再稼働に同意した。また、2015年4月22日、川内原発1、2号機の運転差し止めを住民らが求めた仮処分申請で、鹿児島地裁は住民らの訴えを却下する決定をした。
項目 | 内容 |
安全審査合格 | 2014年9月10日 |
工事計画認可 | 1号機 2015年3月18日 |
2号機 2015年5月22日 | |
司法 | 2015年4月22日 住民側の差し止め請求却下 |
再稼働 | 1号機 2015年8月11日 |
2号機 2015年10月15日 |
九州電力 業績推移
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2015年(予) | 1兆8950億円 | - | - | - | - | - |
2014年 | 1兆8734億円 | ▲736億円 | ▲1146億円 | 4509億円 | 4兆7847億円 | 9% |
2013年 | 1兆7911億円 | ▲1314億円 | ▲960億円 | 4942億円 | 4兆5498億円 | 10.5% |
2012年 | 1兆5459億円 | ▲3312億円 | ▲3324億円 | 5577億円 | 4兆5265億円 | 11.9% |
2011年 | 1兆5080億円 | ▲2135億円 | ▲1663億円 | 8881億円 | 4兆4280億円 | 19.7% |
2010年 | 1兆4860億円 | 667億円 | 287億円 | 1兆796億円 | 4兆1854億円 | 25.4% |
2009年 | 1兆4449億円 | 676億円 | 418億円 | 1兆890億円 | 4兆541億円 | 26.4% |
【優先株発行】
2014年8月、1000億円の優先株を発行。日本政策投資銀行に割当。優先株1000株を発行し、1株につき350万円、年35億円の優先配当を行う。普通株式を対価とする取得条項や取得請求権、議決権は付与されず、普通株式の希薄化はない。調達した資金は原子力発電所の安全性向上のための対策工事に充当する。
概要 | 内容 |
優先株発行 | 1000億円 |
優先配当 | 年35億円 |
割当先 | 日本政策投資銀行 |