大王製紙は2014年6月2日、公募増資などで最大224億円を調達すると発表。2014年6月10日に発行価格が1株あたり945円に決まり約184億円を調達する。調達する資金はベビー用紙おむつ・大人用紙おむつの新工場設立やティシューの生産能力拡充などの設備投資に充当する。発行済み株式総数は15.7%増加する見通し。


増資概要

払込期日 2014年6月17日~2014年6月23日
1単元株式数 1000株
引受人 大和証券 三菱UFJモルガン・スタンレー
公募・売出 1400万株
第三者割当 423万株(北越紀州製紙)
オーバーアロットメント 210万株
発行価格 945円

【資金使途】
調達する資金は、61億円をベビー用紙おむつ・大人用紙おむつの新工場設立資金に、50億円を中国でのベビー用紙おむつ加工能力拡充の設備投資資金に、42億円をティシューの生産能力拡充の設備投資に、残額を社債の償還資金に充当する。

セグメント 投資額 内容 期間
ホーム・パーソナルケア 61億円 ベビー用紙おむつ・大人用紙おむつの新工場設立 2014年8月~2017年1月末
50億円 中国でベビー用紙おむつ加工能力拡充 2014年7月~2017年6月末
42億円 ティシューの生産能力拡充 2014年6月~2016年1月末
- 残額 社債の償還 2015年12月

 

業績

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2014年(予) 4500億円 170億円 75億円 - - -
2013年 4300億円 112億円 62億円 1192億円 6461億円 17%
2012年 4073億円 66億円 151億円 1079億円 6591億円 14.7%
2011年 4089億円 47億円 ▲53億円 973億円 5964億円 14%
2010年 4101億円 56億円 ▲182億円 1151億円 6723億円 12.7%

【セグメント別】

セグメント 業績 2011年 2012年 2013年
紙・板紙 売上高 2954億円 2891億円 2981億円
営業利益 121億円 109億円 113億円
ホーム&パーソナルケア 売上高 1209億円 1209億円 1359億円
営業利益 29億円 51億円 96億円

 

経営計画

2012年9月7日、中期経営計画を発表。2014年に売上高4500億円、経常利益225億円を目指す。国内ではシルバー用紙おむつの増産体制を整備。海外ではタイでの拡販と東南アジアへの輸出を拡大する。

項目 2014年
売上高 4500億円
経常利益 225億円
有利子負債 4000億円
D/Eレシオ 3.8倍
自己資本比率 17%

【地域別戦略】

地域 内容
日本 シルバー用紙おむつの増産
既存の生産会社に加工機を増設し生産能力を向上
新工場建設による増産を計画
海外 タイでベビー用おむつを拡販
東南アジアへの輸出を拡大

【日本】
収益性が高く需要拡大が見込まれるシルバー用紙おむつの増産体制を整える。まず、既存の生産会社に加工機を増設することで生産能力を向上させる。次に、静岡県富士宮市での南陵新工場の建設による増産計画を計画する。また、パンツタイプの品揃え拡充による市販ルートを強化、テープと併用率の高い夜用パッドを強化することで、増収増益を目指す。


【海外】
需要拡大が見込まれるタイでベビー用おむつ事業の合弁相手である消費財流通大手サハグループの販売チャネルを活用し、タイ国内で拡販を進める。また、東南アジア地域への輸出も拡大する。