参議院選挙の争点は自民、公明両党が非改選と合わせ、過半数の122議席以上を確保し、衆参両院のねじれが解消するかが焦点となっている。非改選議席は自民50、公明9の59議席であることから、与党が過半数の122議席に達するには63議席、自民党単独では73議席の獲得が必要となる。 また、憲法改正に前向きな自民、みんな、維新などの合計が非改選と合わせて参院の3分に2(162議席)を占め、国民に改憲を発議する環境が整うかも注目されている。そこで日本が抱える憲法上の主な課題を以下にまとめた。
課題 | 論点 | 公約 |
東アジアの危機への備え | 集団的自衛権の行使 | 自民・維新:集団的自衛権の保持を明記した9条改正を提起 |
大規模災害などへの対応 | 大規模災害やテロなど緊急時の規定無し | 自民・みんな:緊急事態条項の憲法上の明記を主張 |
決められない政治の脱却 | 首相指名、予算、条約で衆院が優越する以外は衆参がほぼ同等の権限 | 維新・みんな:一院制への移行を主張 |
【集団的自衛権】 仮に同盟国である米国に対し日本の上空を越えてミサイルが発射された場合、日本は憲法上の制約で打ち落とすことができないことから、日米同盟に歪みが生じる可能性がある。自民党は集団的自衛権を含む自衛権の保持を明記した9条改正を提起。維新も集団的自衛権の行使を容認している。一方、与党である公明党は反対の立場を主張している。 【大規模災害などへの対応】 東日本大震災などの大規模災害やテロなどの非常時に対応する規定が憲法にない。自民党は緊急時の対応として緊急事態条項の憲法上の明記を主張している。みんなの党、生活の党も主張。 【決められない政治】 首相指名や予算、条約で衆院が優越する以外は衆参がほぼ同党の権限を持っている。そのため、衆参ねじれ国会では参院の権限が強すぎると議論されてきた。維新の会・みんなの党は一院制の導入を主張する。