トランプ米大統領は、2019年5月5日、2000億ドル(約22兆円)分の中国製品に課す関税を、現在の10%から25%に引き上げると表明した。適用は5月10日から。米国が2018年9月に「第3弾」として発動した家電や家具など約6000品目が対象。中国側は米国が関税を引き上げた場合、米製品600億ドルぶんへの追加関税を引き上げるとみられる。
焦点の中国の産業補助金を巡る問題で、米国は協定の案文に中国が国有企業への補助金制度の改革案を明記することで合意していたと考えていた。一方、中国は協定に明記せず、国内の法改正で対応すると後退させたとみられる。
補助金は中国の「国家資本主義」の基盤で、各省が補助金をてこに産業を誘致。税収や雇用を競い合う仕組みで中国の成長を支えてきた。米国側は全面撤回を要求。中国側はハイテク産業育成策「中国製造2025」計画の完全撤回を拒み、産業補助金の維持を探る。
また、米国が2500億ドル分の中国製品に課す制裁関税の扱いでは、米国は関税の一部維持を主張する一方、中国は完全撤回を求めている。
米政権は現時点で制裁を課していない残り全ての中国製品約3250億ドル分を対象に「関税第4弾」を検討している。