米商務省は、2019年5月15日、中国ファーウェイが制裁対象のイランと取引したとして、輸出管理法に基づく「エンティティー・リスト(EL)」に追加すると発表した。米国からの製品や技術の輸出には商務省の許可が必要となるが、申請は原則却下される。
米輸出管理法は、外国の取引も規制する「域外適用」が特徴。市場価格に基づき米国企業の部品やソフトが原則25%超含まれれば、日本など海外製品も禁輸対象となる。違反すれば米政府から米企業との取引禁止など行政罰や刑事罰を科される。
また、トランプ米大統領は、米国企業によるファーウェイ製品の調達を事実上禁じる大統領令にも署名した。
ファーウェイの主要取引先は92社。世界で年670億ドル(約7兆円)の部品を購入している。米国は30社超で、クアルコムやインテル、ブロードコム、マイクロソフト、オラクルなど。ファーウェイは主力のスマートフォンや通信機器の生産が難しくなる可能性がある。日本企業80社と取引があり、部品・モジュールなどを供給している企業はパナソニック、村田製作所、住友電気工業、京セラ、ジャパンディスプレイ、富士通など、2018年には6800億円を調達したと見られる。